• 40代・50代、シニア世代のための川崎市麻生区在住の独立系FP

確定申告の時期です。
本来確定申告が必要のない方でも上場株式等の配当所得を受け取っていると、確定申告をすることで払い過ぎた税金を取り戻すことができるかもしれません。

一般的には、配当金が支払われるときに所得税(15.315%)と住民税(5%)が源泉徴収されます。
この場合は確定申告をせずに源泉徴収によって納税を終えることができます。

しかし、あえて確定申告をすることで総合課税や申告分離課税も選択することができます。
総合課税では配当控除を適用することができます

配当控除は、配当所得に対して一定割合が税額から控除されるもので、課税所得が1,000万円以下であれば、
 所得税は配当所得の10%
 住民税は配当所得の2.8%
が控除されます。

従って、総合課税を選択した場合の所得税・住民税の税率は以下のようになります。

<所得税>
課税所得金額 本来の税率 実質的な税率
195万円以下 5% 0%
195万円超 330万円以下 10% 0%
330万円超 695万円以下 20% 10%
695万円超 900万円以下 23% 13%
900万円超 1800万円以下 33% 23%

 

<住民税>
課税所得金額 本来の税率 実質的な税率
1000万円以下 10% 7.2%

 

住民税は、総合課税された場合、実質的な税率が元々の源泉徴収税率5%より大きくなります。
また住民税の所得額は、国民健康保険料や介護保険料を判定する上での基礎となっているため、配当所得を総合課税or申告分離課税で申告すると社会保障関連の負担も増えてしまいます。
このため、住民税は申告不要を選択すれば、保険料への影響を気にすることなく配当金の税率引き下げの恩恵が受けられます。

上場株式等の配当所得を受け取っている課税所得金額900万円以下の人は
 所得税は総合課税
 住民税は申告不要
を選択すると、源泉徴収時よりも低い税率が適用され、納め過ぎた分の税金が還付されるかもしれません。

確定申告のこの時期、税金の払い過ぎはないか確認してみてはいかがでしょうか。