• 40代・50代、シニア世代のための川崎市麻生区在住の独立系FP

前回のコラムに引き続き、相続関連の手続きを行っている中で気づいたことです。
皆さんは「未支給年金」って聞いたことはありますか。

国民年金や厚生年金などの公的年金は偶数月の15日に、前々月分と前月分の2か月分が支給されます。(年金は後払いなので)
そのため被相続人(年金受給者)が亡くなると、受け取る権利があってももらえない年金が生じます。これを「未支給年金」といいます。例えば、5月22日に亡くなった場合、最後に受け取った年金は4月15日支給の2・3月分ですから、4・5月分が「未支給年金」になります。

年金受給者が亡くなった場合、年金を受け取る権利がなくなるため、国民年金の場合は14日以内、厚生年金の場合は10日以内に年金の受給を停止する手続きが必要になります。
受給停止には、年金事務所または街角の年金相談センターに「年金受給者死亡届」を提出します。なお、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている方は、原則として「年金受給権者死亡届」を省略することができます。

「未支給年金」は、受け取る資格がある人が「請求」しなければ支払われません。

「未支給年金」を受けられるのは、亡くなった受給権者と生計を同じくしていた「配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族」です。
「未支給年金」を受けることのできる順位も「配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族」の順番です。自分より先順位の方がいる場合は、未支給年金を受け取ることはできません。また同順位の方が2人以上いる場合には、1人が代表して請求することになります。
「未支給年金」は、その支給金を受け取った方の一時所得です。一時所得の金額の合計額が50万円以上となると確定申告が必要になります。

年金を受ける権利は、権利が発生してから5年を経過したときは、時効によって消滅します。
年金の受給停止の手続きと合わせて「未支給年金」の請求手続きも忘れずに行いましょう。