• 40代・50代、シニア世代のための川崎市麻生区在住の独立系FP

「長期・分散・積立」の資産運用は、資金を長期に渡ってコツコツ積み立てながら、世界中のさまざまな投資先に資産に分散する手法です。
運用資産のリターンは、相場の動きに影響を受けて短期的にはプラスになったりマイナスになったりします。

大事なのは、短期的な相場の動きは気にし過ぎずに、淡々と資産運用を続けていく、ことです。

では、積み立てた資産はいつどのように引き出したらよいのでしょうか。

それは、資産運用を続けながら必要になったときに必要な資金を引き出す、ということです。

ただし経済が大きく動いた時や定年退職などライフスタイルの変化や加齢に伴いリスク許容度が変わったときには、債券比率を高めるなどの保守的な資産配分に見直し(リアロケーション)を行い、リスクを下げておくことも忘れないようにしましょう。

また資産をより息長く運用しながら取り崩すという点では、「定率」引き出し方が優れています。
「定額」で売ると株価が低いときに多く売ることになり運用資産の減少を早めてしまいます。「定率」で取り崩せば、相場下落など資産が目減りしているときは引き出し額も小さくなるので、運用資産の減少スピードを緩めることができます。

元フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史さんの著書『定年後のお金 寿命までに資産切れにならない方法』でも、資産の「定率」引き出しの方が「定額」引き出しよりも資産の減少の進行が小さい、ことに言及しています。
同著書には、
・60歳までを「積み立てながら運用する時代」、75歳までを「使いながら運用する時代」、残りの人生を「使う時代」と3つのステージで考える
・国際分散投資で平均年率3%のリターンを確保できれば、60歳からは年4%を引き出しても相当期間は資産が底をつくのを防げる
といったことも述べています。私にはとても興味深い内容でした。