• 40代・50代、シニア世代のための川崎市麻生区在住の独立系FP

パートの時間を増やそうと思っている主婦の方は、「社会保険料の壁」はご存知でしょうか。

パートタイマーなどの短時間労働者が、下記のいずれかの条件を満たす場合は、自分の勤め先で健康保険・厚生年金保険の被保険者として加入する義務が発生します。

<適用基準>
①1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上であること
②(1)~(5)の要件をすべて満たした場合(「106万円の壁」)
 (1)週の所定労働時間が20時間以上であること
 (2)月収が8万8000円以上(年収106万円以上の見込み)
  ※月収に残業手当、通勤手当、賞与は含まない
 (3)雇用期間の見込みが1年以上であること
 (4)学生でないこと
 (5)以下のいずれかに該当すること
 ・従業員501名以上の会社で働いている
 ・従業員500名以下の会社で働いていて、社会保険に加入することについて労使で合意がなされている

上記②「106万円の壁」の条件のうち、どれか一つでも満たさなければ社会保険の加入対象から外れます。残業代によって月収が8万8000円以上となり結果的に年収が約106万円になったとしても、月々の決められた賃金が8万8000円に満たなければ対象外です。

「106万円の壁」に該当しない人も、見込年収130万円を超えると、夫の「扶養」から外れて自分で社会保険料(健康保険や厚生年金の保険料)を払う(「130万円の壁」)ことになり、手取り額に大きく影響してきます。
社会保険料の負担額は小さいものではありませんが、社会保険の加入にはメリットもあります。

<メリット>
・自己負担額が減る
 厚生年金保険料の半分を企業が負担してくれるので、国民年金より少ない自己負担で済む可能性があります。

・老後に受け取れる年金額が増える
 基礎年金の額に厚生年金の保険料に応じた金額を上乗せしてもらうことができます。

・保障制度が手厚い
 傷病手当金(病気やケガなどで仕事ができない場合に給料の3分に2が支払われる)、出産手当金や出産育児一時金なども、要件を満たしていれば支給されます。

<デメリット>
・給与の手取り額が減る
 所得税と住民税、社会保険料の負担で手取り額が減り、損をする場合があります。

パートタイマーとして働く際は、社会保険に加入するメリット・デメリットを考慮して、自分自身の働き方を検討しましょう。