私は2001年10月から2016年3月まで企業型確定拠出年金制度を利用していました。その後企業型から個人型確定拠出年金制度(iDeCo)に移換して、現在も確定拠出年金制度を継続利用しています。
企業型確定拠出年金制度の利用時、私は当初からずっと掛金100%を国内株式アクティブ型の投資信託商品1本に振り向けていました。私の周りでは100%元本保証型の定期預金や50%は債券、残り50%は株式というように掛金の割合を変えて複数の運用商品を選んでいる人が多かったと記憶しています。
私は毎月コツコツと投資を継続し、仕事が忙しかったこともあってそれこそほったらかしの状態にしていました。
運用期間中の基準価額は、10,000円→16,000円→7,000円(2008年9月のリーマンショック)→16,000円というようなジェットコースターのような激しい値動きをしていました。
さすがに含み損が800万円を超えた時は、「自分の年金はどうなっちゃうのか」とまるで他人事のように不安を感じていました。それでも我慢できなくなって途中で運用商品を売却、変更することはしませんでした。その後価格が上昇し元に戻り、気づくと投資の評価は一気に含み損と同額以上の含み益となっていました。
投資の評価は、「口数(量)× 価格」で決まります。
投資というと「安く買って高く売る」と言われるように、「いくらで買うか」という「価格」に意識が集中し、何口(どのくらいの量)買えるかという「口数(量)」を意識する人は少ないのではないでしょうか。
「一括投資」の場合は、最初に「口数(量)」が決まってしまうので、その後は「価格」で勝負するしかありません。
「つみたて投資」の場合は、「口数(量)」と「価格」の2つの要素で資産運用の成績が決まります。「価格」が下がるということは、多くの「口数(量)」を買い込めることになり、「口数(量)」は一度増えたら減ることはありません。
私の場合、全体の相場が下落しているときも運用商品を売却、変更せずに、ひたすらこつこつと投資をし続けてきたことが、結果として「口数(量)」を増やしていて、価格が少し上向くと投資の評価は大きく回復、10年を経て価格が元に戻ると大きな含み益を生んでいました。
「つみたて投資」は仕事やプライベートに忙しく時間的余裕のない人にとっては、適した投資方法だと実感しています。