先日つみたてNISAでインデックスファンドを購入されているお客様から、「投資信託は複利運用って聞いたけど、本当ですか?」、との質問を受けました。そのお客様は直接分配金を受け取っていないことから、そのような声が出たようです。
直接分配金が支払われないインデックスファンドでも、受け取った配当金は内部的に再投資され、複利運用されています
例えば、日経225銘柄に投資するインデックスファンドでは、当然その225銘柄が出す配当金を受け取っています。その配当金は、直接お客さまに支払われることがない代わりに、ファンドの純総資産額に組み込まれます。ファンドの純総資産額が増えると、ファンドの発行口数が一定であれば基準価額の上昇につながります。
・純総資産額:ファンドの保有資産から負債を引いた額。そのファンドの規模を表す数値。ファンド運用で得られた利益分も含む。
・基準価額:純資産総額を口数で割った価格。1口当たりの純資産総額。
ファンドの純総資産額に組み込まれた配当金は、次の日経225銘柄の購入代金等に使われます。そしてその配当金で購入した株式からも配当金を受け取ることになります。
このように、投資信託では複利運用を行なった結果が基準価額に反映されています。
ここで注意が必要なのは、投資信託の基準価額の計算には、ファンドが受け取った配当金のほかに、ファンドが保有している株式等の評価額も加味されていることです。
投資信託の基準価額が、常に一定比率以上で右肩上がりに上がっていけば、複利効果が発生します。
しかし、定期預金の複利のように毎年一定の割合で増えるわけではなく、基準価額が全然値上がりしなかったら含み益が含み益を生まないので、必ずしも複利効果が得られるとは限りません。