• 40代・50代、シニア世代のための川崎市麻生区在住の独立系FP

「確定拠出年金(企業型、iDeCo)」は、拠出額全額が所得控除(経費)になり、運用中の利益も非課税ということで加入者が増えている魅力的な商品です。
しかし老齢給付金の受取時の出口戦略を考えておかないと、予想外の税・社会保険料負担がかかってしまうことがあります。

「確定拠出年金(企業型、iDeCo)」の受け取り方法は、「一時金」か「年金方式」、または「併用」を選べます。

「一時金」で受け取るときは、「退職所得」として他の所得とは分離して課税されます。
会社の退職金も確定拠出年金(企業型、iDeCo)」も退職所得控除という非課税枠の対象になり、会社の勤続年数または確定拠出年金(企業型、iDeCo)」の加入年数により、20年までは年40万円、それ以降は年70万円ずつ増えます。退職所得控除を超えた金額の2分の1に対して課税される仕組みです。

 退職所得 =(収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2

注意が必要なのは、退職所得控除は「確定拠出年金(企業型、iDeCo)」だけの枠ではなく、会社から支給される退職金と同じ枠を共有することです。一定期間内に複数の退職金を受け取った場合、勤続期間が重複している部分の退職所得控除は差し引くことはできません。会社から退職金がたくさん出て、すでにその枠を使い切ってしまったという場合、「確定拠出年金(企業型、iDeCo)」については退職所得控除が全く使えないという状況になってしまいます。

これを回避するには以下の策が考えられます。
①確定拠出年金(企業型、iDeCo)を先に受け取る場合
 前年以前4年以内(5年前に)に受け取った他の退職金を計算したときの勤続年数は除いて計算するため、確定拠出年金(企業型、iDeCo)」を受け取ってから5年期間を開ければ再度、退職所得控除を使うことが出来ます。

②退職金を先に受け取る場合
 前年以前14年以内(15年前)に受け取った他の退職金を計算したときの勤続年数は除いて計算するため、例えば70歳で「確定拠出年金(企業型、iDeCo)」を受け取ることを考えると、55歳で退職金を受け取らないと再度退職所得控除が使えないことになります。

一方、年金方式」で受け取る場合は、公的年金等の「雑所得」として、公的年金控除額を差し引いた後の残額が総合課税されます。

 公的年金等の雑所得 = 収入金額 - 公的年金等控除額

公的年金控除額は、65歳未満の場合は最低60万円、65歳以上の場合は最低110万円で、これを超えると課税される所得が生じます。
この公的年金等控除額の枠も他の公的年金(国民年金、厚生年金、企業年金など)と共通です。そのため、確定拠出年金(企業型、iDeCo)」の年金以外に、他の公的年金などの受取額が多ければ、それだけ税額も大きくなり、社会保険料の負担も大きくなってしまいます。

65歳未満で他に受け取る年金がない場合は、確定拠出年金(企業型、iDeCo)」の年金は、使い残しの多い65歳未満の非課税枠「公的年金等控除額」を活用し、65歳以降に年金が集中しないように受け取り開始時期を調整することを考えてみてはいかがでしょうか。