• 40代・50代、シニア世代のための川崎市麻生区在住の独立系FP

パートナーに先立たれた妻は、「遺族基礎年金」受給できなくても「遺族厚生年金」受給できることがあります。

厚生年金から支給される「遺族厚生年金」は、死亡した者によって生計を維持されていた、配偶者、子、父母、孫、祖父母が支給対象となります。子がいなくても配偶者に支給されます。
子・孫は、18歳到達年度の末日までの者(20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)、夫・父母・祖父母は55歳以上(ただし支給開始は60歳から。遺族基礎年金を受けられる夫は60歳未満でも支給される)、夫死亡時(または「子のない妻」になったとき)に30歳未満の妻へは5年間の有期給付となります。
金額は、夫が生きていれば受け取るはずだった「老齢厚生年金」の4分の3となります。

60歳以上65歳未満で「遺族厚生年金」と妻自身の60歳代前半の「老齢厚生年金」を受け取れる場合は、どちらか一方の年金を選択受給します。
65歳以降に「遺族厚生年金」と妻自身の「老齢厚生年金」を受けられる場合は、原則として、以下の①が優先的に支給され、②または③で計算した金額の方が多ければ、その差額分を「遺族厚生年金」として支給されます。
 ①自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金
 ②自分の老齢基礎年金+夫の遺族厚生年金
 ③自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金の1/2+夫の遺族厚生年金の2/3

「遺族厚生年金」に加算されるものとして、「中高齢寡婦加算」「経過的寡婦加算」があります。

「中高齢寡婦加算」は、「遺族基礎年金」を受給できない妻(「遺族基礎年金」の受給が終了した妻)に対して、「遺族厚生年金」に加算されて支給されます。妻が40歳から65歳になるまで、年額585,100円(令和元年度額)が加算されます。

「遺族厚生年金」を受給している妻が65歳になると妻自身の「老齢基礎年金」が受け取れるようになるため、「中高齢寡婦加算」はなくなりますが、昭和31年4月1日以前生まれの妻には、生年月日に応じて決められた「経過的寡婦加算」が引き続き加算されます。

自分の年金と合わせて、パートナーが先立った場合の「遺族年金」についても確認しておきましょう。